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 ●コラム:神社と気の流れ               かくだよしあき
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  その時僕は東京に出張中で、上司で友達だった彼と一緒に新宿にいた。
  彼は「気」に興味があるらしく、僕に色々説明していた。何やら怪しい雰
  囲気の話で僕は「なんじゃそりゃ」と思って聞いていた。

  するとだんだん、彼の言っていることが自分も経験したことや、また、以
  前から思っていたことと似ていることに気がついた。
  そこで、今度は僕から質問してみた。

  「手と手を合わせて、集中していくと、なんか玉みたいなものを感じるん
  だけれど」など、いろんな自分の体験を話していると、彼は驚いて色々教
  えてくれた。
  彼の説明によると、僕が知識もなく昔からやっていたこと全てに名前があ
  り、その方法が本などになっているらしい。
  彼は不思議そうに、「どうして勉強したのか?」と僕に聞いてきたが、僕
  は「勉強したことはなく、何となくそう思った事を言っただけ」と答えた。
  彼は、ますます僕を面白がっていったようだった。

  僕といえば、小さいころから習っていた空手の呼吸法や瞑想、動作などで
  なんとなく、気を感じたり、流れを感じ取ったり、気を出したり、はたま
  た、手の中で火花を出したりができるのだった。
  僕は早速、彼のいう実験を行った。それは、空気の流れを感じて、その方
  向にあるものを見つけてみようというものだった。
  彼に言わせると、それは「気の流れ」もしくは「風水」なのであるそうだ。

  僕は、路上にまっすぐ前を向いて立ち、目をつむって手を広げた。そして、
  ゆっくりとくるくると回り始めた。
  これが結構カッコ悪くて、恥ずかしかったが、しばらくすると何か一方向
  に流れを感じるので、そちらの方に歩いて行く。そして、また次の地点で
  もくるくると回って目をつむる。それを繰り返しているうちに、神社の鳥
  居が見えてきた。
  結局、新宿の気の流れは、その神社にながれているらしく、僕らもすい寄
  せられるように神社に着いたのであった。

  これには、自分でも驚いた。自分がこんなことができると思っていなかっ
  たからだ。しかし、彼はこのことは予測していたという。
  町の中の気の流れは、神社などに向かっていることが多いらしく、それを
  たどっていくと、こうやって神社を見つけられるのだそうだ。
  そういえば、神社に行くと僕は、鳥居の真ん中には何か流れをいつも感じ
  ていた。

  彼のおかげで理論的なこともわかった僕は、京都に出張の際に試してみた。
  取りあえずタクシーに乗って、鳥居の大きいところに案内してもらった。
  そして、車を降りて鳥居の真ん中に立ってみた。凄く気の流れを感じる。
  後ろから気が集まり、鳥居の真ん中を抜けて、本堂に向けてまっすぐ風の
  ように流れている。
  そして、その気を受け止めるだけでなく、体を這うようにすり抜けさせて
  いくことで、全身で気を感じるのだ。
  鳥居の真ん中からずれると、少し気の流れが弱くなるのを感じた。

  次に、矢坂神社に神社に行ってみた。
  案内された鳥居は、なんか気の流れが弱く、僕は何かが違うと思い、運転
  手に聞くと、「そうそう、昔は参道が違う所にあった。今は参拝者が多い
  のでこちらに新しく入り口ができたんだ」と言っていた。
  僕は早速、本来の参道に案内してもらった。
  それは、見事な気だった。町中のエネルギーが集まって来ているような、
  それでいて涼しげな落ち着いた気が、凄い勢いで流れている。
  「すばらしい!!」、きっとここであれば、僕が教えれば誰でもがこの流
  れを感じてもらえるんじゃないかと思った。

  実は僕は、この気の感じ方や流れを読む方法を、時々人に教えたりしてい
  る。それは、大宰府に行ったりしたときに(僕は天満宮が大好き)興味の
  ある人にだけ教えているのだ。
  ここにも素晴らしい気の流れがある。とても心地よく、いい気だ。
  しかも、気は最初の鳥居に集められ、いくつかの鳥居の中をまっすぐ流れ
  ていき、本堂を突き抜け、本堂の裏から逃げている。

  僕は、これを本堂の賽銭箱の前でよくやるのだが、この場所でやっている
  と、何か怪しい宗教家のようなので、人に教えるときは本堂の裏で教えた
  りしている。
  呼吸方法や手の使い方などを教えていくと、それまで感じたことのなかっ
  た人でも、気の流れを感じられるようになるのだ。

  福岡でのよい気の流れを感じるスポットは、太宰府、油山、香椎宮。
  神社によっては鳥居が何かの理由で動かしてある場合が多く、気がきちん
  と流れていなかったり、途中で曲がっていたり、十分な量の気を集められ
  ていなかったりする。
  そんなところでお参りをしても、何にもご利益はないんじゃないかと思う。


  特に最近、気を感じるのは、「滝」で、ここはとてもよい気が流れていて、
  心をいやしてくれる。
  神社のように激しい流れではなく、優しくてまったりとした流れがある。
  なかなかいいスポットである。まあ、気が流れているからといって全てが
  いい気だけではない訳だけど・・・・

  さて、僕がミーティング中に目を閉じたり、手のひらを広げたりしている
  のは何かを感じているときで、また、町を歩いているときに、突然立ち止
  まって、手を広げてくるくる回りだしたら、それは気の流れを感じた時だ

   僕は突然そんなことをするので、
     一緒にいる人はカッコ悪いので注意してください。


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