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 ●コラム:文章が嫌い3(書いている自分が嫌い)    かくだよしあき
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  人から頼まれて文章を書いてみた。
  なにか、凄く嫌気がさしてきた。こうして書いている自分は大嫌いだ。
  自分の気持ちを上手に伝えるために言葉を選んだり、少しでも見ばえがい
  いようにスマートな言葉を選んだりして。
  見栄はりで気取り屋だ。凄くこっけいで、僕は書いている自分が凄く嫌い
  である。

  知り合いからファックスが流れてきた。国際電話なので海外からだろう。
  日本語で縦書きで何か書いてある。詩のようなエッセーのような物だった。

  読んでみると内容にはさほど感動しなかったが、ファックスで詩を送って
  きた、というその事自体に感動してしまった。
  僕は、とにかく「何かをしたくなった」。

  知り合いからメールが届いた。彼女の日記のようだ。それが毎日届く。
  特別大事件が起こることもなく、ただ毎日のことが綴ってある。「お昼に
  ウナギを食べた。美味しかった」「雨が降ってきてぬれちゃった」などだ。
  別に、書いてあること自体には特別なことはない。ただ時が流れている。

  しかし、何かを感じた。とにかく「何かをしないではいられなくなった」。

  僕の受け取ったものは、一体なんだったんだろう!!
  ただの紙やメールには違いない。そして、内容もさほど重要ではない。
  なのに、何かが僕を震わせた。何だったんだろう。

  僕は確実に何かを受け取った。
  そして、何かを始めたくなった。
  何かをしないではいられなくなった。

  自分の気持ちや考えや思想を残していたいと思ったのか?
  僕にも文章が書けると言う事を見せたいのか?
  エッセイや詩などとして、作品や本など形のあるものを残したいと思った
  のか?

  それは、進歩なのか堕落したのか?

  そういえば、僕は文章は嫌いだけど、本は大好きである。
  本という形になったときに、何かその人の作品となるからである。

  友人から届いたものもそうなのかも知れない。

  文章が嫌い・文章を書くのが嫌い・文章を書いている人が嫌い。
  そんな僕だけど、とりあえずやってみます。
  精一杯やってみます。

  そして、友人から届いたものと同じように、紙やメールでもなく、そして
  文章に書かれている内容でもない、僕が感動した何かを伝えたい。
  僕のメッセージを書き続けて配信することで、文章には載っていない僕の
  心や思想が伝わればいいなと思います。

  それが、なんだかは解らないけど、きっと何かは伝わるはず。
    自分が受けた感動と同じ感動を伝えたいのです。
       だから、今日もエッセイを書いてみます。


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