------------------------------------------------------------------------ ●コラム:言わなきゃダメ1(トンカツどっちが好き?) かくだよしあき ------------------------------------------------------------------------ あなたはトンカツの端っこと真ん中、どちらが好きですか? 「真ん中?」それとも「端っこ?」どっちですか? 好みというのは、すべてのものにあって、なるべく自分の好きな事ができ たり、好きな物が手に入ったら、それがいちばん幸せです。 仕事や趣味などでも、「好きじゃないけど、やらなくてはいけないこと」 「やらなければならなくて、そしてそれが好きなこと」「やりたくて、好 きでやっていること」などいろんなレベルがありますが、同じやるのなら 「好きでやること」であれば、それがいちばん幸せなのではないでしょう か?! けれど、人の好みというのは、聞いてみるまで結構わからないものです。 「たぶん、これが好きだろう」と思っていたことが、聞いてみるとイヤな ことだったり、逆にすごく大変で、誰もが嫌がることなんだけど、凄くや りがいを感じる好きな事で、充実していたりすることがあります。 だから、ほんとのところは、聞いてみないとわからないものなのです。 しかし、実際は、好きなものを聞いてくれる人は少ないのです。だから、 少しでも自分の好きなものを手に入れたり、好きなことをしたいのなら、 自分から言わなきゃダメなのです。 僕と彼女は、よく豚カツを食べに行っていました。 彼女は「ヒレ」、僕は「ロース」と、お互い違うものを頼んで、半分ずつ にしたり、1切ずつ交換したりして、両方の味を食べて楽しんでいました。 そんな時、彼女は必ず僕に端っこをくれていて、僕は必ず真ん中を彼女に あげていました。 僕は「彼女は端っこが嫌いなんだろう」と思っていました。なぜなら、ス テーキを食べた時に、「脂身のある端っこは嫌い」と言っていたので、ト ンカツも同じように「端っこが嫌いなんだろう」と思い込んでいました。 ところが、ある日、「美味しいトンカツ屋はどこだ」という話をしている ときに、たまたまその話になり、実は彼女は端っこが好きで、僕は真ん中 が好きだとい言う事が、お互いにわかりました。 結局、互いに自分の好きな方を相手も好きだと思って、自分の好きな方を あげていて、それが結果的には、お互いに好きじゃない方をもらったこと になっていたのです。 非常にナンセンスなことを、やり続けていたのだと思いました。 トンカツの端っこがおいしいか、真ん中がおいしいか、これには正しい答 えはありません。けれど、自分がどっちが好きだというのは、きっとある はずです。 これは、トンカツにだけ言えることではなくて、全てのことについて言え ると思います。 どんなに長くつきあっているカップルでも、「きっとこれが好きだろう」 と思ったものが、必ずしもあたっているとは限らないのです。 もし、ひとこと言っていたら、お互いがお互いの好きなものを手に入れ、 お互いの好きなこと、お互いのやりたいことをやれていたかもしれないの です。 カップルや友達、メル友とかと、今さらながら、好きなものを言い合って みるのもいいかもしれません。 「好きな食べ物」「映画」「お酒」「音楽」「本」「言葉」「スポーツ」 「場所」「人「時間」「フレーズ」「セリフ」「俳優」「色」「形」「歌」 「画家」「数字」「花」「デザイン」「アプリケーション」「メーカー」 などなど。 そして、もちろん「トンカツの端っこと真ん中、どっちが好きか?!」 自分が好きなもの、自分がやりたいこと、自分がほしいもの、それをもっ とたくさんの人にたくさんの事を言わなきゃダメだと思う。 自分の好きなことや好きなものを、沢山の人が知っくれているだけで、自 然と情報や人が集まってくるものです。 でも、「あなたの好きなものは何ですか?」と聞いてくれる人は少ないの です。だから、少しでも、自分の好きなものや好きな事を、自分から言っ てみるのもいいかもしれません。 そうすれば、何かが変わるかも知れない。 |
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