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 ●コラム:言わなきゃダメ2<せのび>         かくだよしあき
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  「僕は今、陶芸をやっていて、なかなかいい作品ができたので、師匠の推
  薦もあって、今度、美術展にも出品するんだよ!」

  なんて、こんな事を言った時、自分が本当にやっていることと、まだやっ
  ていないんだけどやりたいと思っている事とをミックスして、本当は、自
  分では、まだそんな事はできないと内心思っていたとしても、あたかも、
  やっているとか、やろうとしているかのように、人に話している。

  たとえば、この話だと「師匠の推薦」までは事実だけど、この作品を「美
  術展にも出品」するなんて考えたこともなく、これは、自分の中ではもっ
  と先の目標というか、悪くいうと「うそ」になる。

  しかし、この「うそ」は、人を騙そうとして計画的に話しているのではな
  く、ぺらぺらと勝手に口がしゃべり、あたかも昔から考えていた事のよう
  に話す。そして、その出た言葉に、自分自身、驚くこともよくある。

  これは人と話したり、文章を作っているときに、今の自分のことを話して
  いるだけでなく、ちょっと理想とする自分のことを話しているのだ。

  自分で話している内容を、第3者的に聞いてみると、自分がどんなことを
  自慢したいと思っているのかを、知ることができる。
  そして、自慢している内容や自慢したい内容を知ることによって、自分が
  持っている価値観を、あらためて確認することができる。
  「僕の考えている僕の理想とする僕」を、自分自身で知ることができる。
  そのことによって、自分でも予測していない目標や方向、やりたいことが
  明確になることが多い。

  そこには現在の本当の自分と、僕が理想とする僕とのギャップがあるが、
  僕は、そのギャップをどんどん埋めていき、自分の理想とする自分に少し
  でも近づこうとしている。
  そのギャップをどんどん埋めていくことによって、毎日少しずつ「僕の理
  想とする僕」に近づいていっているのだ。

  口に出してしまったことについては、なるべく達成しようとする。
  もちろん、それは達成できることもあれば、達成できないこともある。
  結果的に、達成できなくて「うそ」になってしまっていることもあるけれ
  ど、それはあしからず、という感じだけど・・・

  「自分の理想とする自分」というのがどんなものなのかということは、自
  分ではよくわからないものだ。
  けれど、自分で心を解き放して、自分の好きなものや、やりたいことを話
  しているうちに、自然と見えてくるのではないかと思う。

  言ってみないと、本当の自分の目指しているものはわからない。
  大声で、たくさんの人に言ってみると、それがプレッシャーとなったり、
  強引にでも、達成できるように努力してしまう。
  そうすることによって、なんだか知らないけれど、毎日前に進んでいる気
  がするのだ。

  昨日まで「僕はこんな事ができるんだよ」と言いながら、内心では「そん
  な事できないよ」と思っている自分があり、今日には「僕はこんな事がで
  きるんだよ」と、事実を胸を張って言える自分がいる。

  そんな、あぶなかしい、理想の自分と現実の自分との関係を、僕は楽しん
  でいるのかも知れない。

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  「今度美術展にも出品する」というのは、自分でも思ってもみなかったこ
  となのですが、師匠の推薦もあって、筑後市美術展に出品いたしました。
  題名は、「銀彩鶴花器(ぎんさいつるかき)」です。高さ約40cm、幅
  約80cmの大きな花器で、両側に銀が塗ってあり、陶器のような金属の
  ような不思議な感じをしています。
  離れて見ると、鶴が羽を拡げているように見えることからこの名前にしま
  した。
  お陰様で「入選」となり、ただいまサザンクス築後にて展示されています。

  第20回 筑後市美術展(サザンクス築後・大ホール)
       ■会期:9月15日(祝)〜23日(祝)
       ■時間:9時30分〜18時

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