------------------------------------------------------------------------ ●コラム:言わなきゃダメ3 <言ってみる> かくだよしあき ------------------------------------------------------------------------ 自分のしたいことや欲しいものを正直に言ってみる。または、関係ないと 思っている人にも伝えてみる。 すると、案外、簡単に手に入ったり、または予測もしていなかった方法で、 きっかけができたりすることがある。 心の中で思っていても、それをいっさい外に出さなければ、何も始まらな い。声にすることで、心の思いを体の外に出してみて、初めて始まるのだ まずは、その場で、ちょっと声に出して言ってみよう。 または、隣人にこんな夢を持っているとか、こんなことがしたいんだと、 言ってみよう。 何かが始まるかも知れない。 僕が今の仕事に就いているのは、アップルというコンピュータに出会った おかげだ。僕は、コンピュータに出会えたことで、すばらしい人生を送れ ている。 だから、その出会いに、とても感謝している。 その出会いは、よく行くあるオーディオショップでの、僕の一言からだっ た。「オーディオをコントロールする機械とか、コンピュータとか、何か いいものないかなぁ〜」と、僕はつぶやいたのだった。 そうすると、後ろに座っていた人が、振り向いて「君、コンピュータを探 してるの?」と語りかけてきたのだった。 なんと、その人は、ONKYOという会社の研究開発部長で、各国で賞を とっている「グランセプター」という有名なスピーカーを開発した人だっ たのだ。 僕はその日のうちに、その人の家に招かれ、コンピュータを見せてもらっ たのだった。 それが、僕とアップルコンピューターの初めての出会いだった。 その出会いのおかげで、その人の研究に携わったり、アメリカで行われた マックワールドに連れていってもらったり、アップル本社に紹介してくれ たりしたのだった。 また、僕の今のワイン好きの発端でもあった「ナパバリー」にも、連れて 行ってくれた。 また、その人が作ったスピーカーを、システムソフトの社長が持っていて、 それで、ふたりは知り合いだったということも、その後の僕の人生に大き く関わってくる。 僕は、あの時、あそこで、あの言葉をつぶやかなかったら、どうなってい たかと思うと、ほんとに「つぶやいてよかった・・・」と、思うのだ。 そして、今なお、自分のそのつぶやきに感謝しているのだ。 またある時、僕は独立して会社を作りたいと思っていた。そしてその事を、 いろんな人に相談していた。 その中でも、ある税理士さんには、将来の夢や、やりたいことなどをよく 話していた。 僕は、僕が苦手とする経理関係のこと、この問題を解決しなくては、僕の 会社運営はありえないと思っていた。そこで、彼に顧問になってもらい、 僕の欠点を補ってもらおうと思っていたのだった。 ところが、予定していたお金が入ってこなくなって、僕は独立を断念せざ るをえなくなった。 そして、税理士さんにそれを報告しに行くと、「そういう事ならば、君が 会社を作るのはおもしろそうなので」と言ってくれて、そのとき、休眠中 だった会社を僕にくれたのだった。 さすが税理士さんで、その会社を経理的に問題ないようにしてくれて、お かげで、僕は1円も払わないで、会社を設立できたのだった。 その会社に何回かの増資を行い、今では株式会社となった。 僕は、その時の恩を忘れないためにも、自分の会社の定款に、元々の彼の 会社の業務内容であった「経営コンサルティング」という項目を外さない で、そのまま僕の会社の業務内容として掲載している。 会社を無料でもらえたことは、僕も驚いたが、周囲の人も驚いていた。 そうして、僕は会社を始めることができたのだった。 これもやはり、たくさんの人に僕の夢を語っていたことで、実現したんだ と思う。 「口はわざわいのもと」と言うけれど、確かに言ったことで失敗すること があるかもしれない。 でも僕は、今まで生きてきて「言ってよかった」と思うことの方がずっと 多い。 言わなくて失敗するよりは、言って失敗した方がいいんじゃないだろうか。 きっと、言わなきゃよかったことより、言ってよかったことの方が、補っ ても余るぐらい、いいことがあると思う。 だから僕は、言った方がいいと思う。 沢山の人に自分の考えや夢を語ろう! まず、その場でつぶやいてみる。声にして体の外に出してみる。 そして、周りにいる誰かに話してみよう! 何かが始まるかも知れない!! |
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