------------------------------------------------------------------------ ●コラム:蛍と点滅 かくだよしあき ------------------------------------------------------------------------ 一昨日蛍を見に行きました。川沿いの茂みにゆらゆらと浮かんでいる蛍を 見ていると、とても幻想的で、不思議な気分になります。とても日本的な 情緒を感じさせてくれるひとときでした。 蛍が光るのは雄の求愛行動で、雄の蛍はいいなぁと思う雌をみつけると、 それはもう一生懸命頑張って、最高の美しい光を放つんです。雌は光らな いので、実は見えている光の数の倍の蛍がそこにはいたのでしょう。 蛍の命は2週間なので、命をかけて光っているのです。だからこそ、あん なにも美しく、はかなげなのかもしれません。 蛍の点滅のパターンは、品種によって異なるのはもちろんのこと、同じ種 類でも西と東では違ったりするんだそうです。源氏蛍は静岡県の富士川を 堺に西側では2秒に1回、東側では4秒に1回の間隔で光るのだそうです。 でも、その理由はまだ専門家にもわかっていないのだそうです。 蛍の神秘はこんなところにもあるのでしょう。 人間の世界でも、点滅を使って合図や言葉を伝えたりしています。 信号機や踏み切りモールス信号やビルの赤い点滅などがそれです。 先日、高層ビルの上から眼下に広がる夜景を見て、光の海を楽しんでいま した。そこで、僕は見えている建物や地名などを友人に説明をしようとし ていましたが、うまく場所を伝えれません。「あの明るい光の横の四角い ビルの上の赤い光が4つ点滅している建物」なんて言ってもうまく伝えれ ないし、お互いに確認できないのです。 光は点滅しているものと常時点灯しているものとがあります。そして、そ の点滅しているものは、パターンも違えばリズムも違うのです。そこで、 僕はその点滅のパターンに合わせて口でリズム言ってみました。 「タッ・タッ・タッ・タッ」。すると、うまく伝わったみたいで、なんと 蛍の数ほどもあるたくさんの点滅の中から、明確にお互いに確認できたの です。面白くなって、今度は逆に僕に言ってもらいました。そうすると、 同じパターン点滅のものだけくっきりと見えてくるのです。そうです、点 滅のリズムで場所を伝えることができたのです。リズムを声に出して伝え ているとその同じリズムのものだけがクッキリと見えてくるのです。 これは色々なことに応用できそうですが、今日はこの辺で。 皆さんもぜひ試してみて下さい。できればカップルでね… |
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