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 ●コラム:君に一票!                 かくだよしあき
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  先週を買いました。「To the crazy ones.」です。詩集でありながら絵
  本の様な素敵な本です。この本は僕がずーっと思っていたことがカッコ良
  くまとめられていて、僕の大好きな人もたくさん出てきます。
  この本はもうすでに持っていて、今回買ったのは枕元用で、3冊目の購入
  になります。先日、友人にもプレゼントをしました。

  不思議に思うかもしれもしれませんが、僕は、よく本をこんな買い方をし
  ます。それに、気に入った本があると、図書館で借りたり、人から借りた
  りせずに、必ず自分で買うようにしています。人に勧められてその場で読
  んで、もう内容が解ってしまった場合でも、気に入った本ならば、あえて
  買うようにしています。

  何故かというと、僕にとって「本を購入する」ということは、自分がその
  本を手に入れるというより、「この本は素晴らしい」と言う事を、その本
  の作者および出版社に伝える一番いい方法だと思っているからです。そこ
  には「また、こんな本を出版してね」という気持ちも含まれています。

  実は、この考え方は本にだけいえることではなくて、本以外のすべてのも
  のについてて同じ考え方で気に入ったものはなるべく買うようにしていま
  す。レコードや映画、照明器具時計、文具品、コンピューター関係など
  とにかく色々な僕を取り巻くすべてのものについてです。

  でも、購入するものは必ず気に入ったものだけかというと、そういうわけ
  でもありません。まだ購入するレベルに達していなくても「方向性が正し
  い」と思うものや、「その試みは面白い」と思うものも同じように買って
  います。それから、あまりにも気に入ってしまったものは、同じものを何
  個も買ってしまうこともあります。

  なぜかというと、僕にとってそれを買うということは、それに一票を投じ
  ていることと同じだという風に考えているからです。それが必要かどうか、
  使うか使わないかは関係なく、いつも「一票!!」という気持ちで買って
  います。
  たくさんの制作者(クリエイター、アーティストなど)たちは、通常その
  評価を「売れたかどうか」ということで販売会社や供給会社から判断され
  がちです。だから、僕は一票を投じるのです。そしてほんとにいいものに
  は、二票、三票と入れたいと思って買います。もちろん、自分が買うだけ
  でなく、人にも勧めたりもしています。

  ほんとにいいものはたくさんは売れないものなのです。理解されにくいし
  それを創るにも、コストがかかって割高だし、しかも研究開発やデザイン
  にお金を投じて、宣伝もしないし裏工作もしない、だからたくさん売れま
  せん。そして、ほんとにいいものは、よく消えていってしまいます。
  それは、物だけでなく、レストランやバーなどの飲食店、人やサービスな
  ども同じことがいえます。

  でも、僕は、そんな理念をもって仕事をしている人、そういうところにこ
  そ、「少しでもいいものを作り続けてほしい」、そして、感動をあたえ続
  けて欲しいと思っています。そんな気持ちをいつも持ち続けています。

  そして、いつか自分もだれかから「一票を投じられる人」になれればいい
  なぁ〜・・・ と思いながら、

  僕は今日も一票を投じるのです。


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